モーニング娘。
Professionals-17th
M-01. 勇敢なダンス
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:大久保薫
M-02. おっちょこちょいなファンタジアロマンス / 北川莉央・岡村ほまれ・山﨑愛生
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
M-03. 「恋人」
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:大久保薫
M-04. ムカ好き!
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
M-05. すっごいFEVER!
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
M-06. 内緒だよ / 小田さくら・羽賀朱音
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:AKIRA
M-07. なんだかセンチメンタルな時の歌
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
M-08. 会えてよかった / 横山玲奈・井上春華
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:江上浩太郎
M-09. Neverending Shine / モーニング娘。'23 feat. 譜久村聖
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
M-10. 幸せ指数 発表されたい / 生田衣梨奈・石田亜佑美・野中美希・牧野真莉愛・櫻井梨央・弓桁朱琴
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:鈴木俊介
M-13. 大空に向かって
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
■アーティスト:モーニング娘。'24
■発売日:2024/11/27
■コード:EPCE-7888
■レーベル:zetima
つんく♂コメント
モーニング娘。の17枚目のオリジナルアルバム。
結成して26年なので、年に1枚作っていれば、
もう少しアルバムタイトルがあってもよいところですが、それでも17枚。
「ローマは一日にして成らず」ということわざどおり、歴史があって今はある。
そう思うと感無量です。
ここまでの応援、本当にありがとうございました。そしてこれからもガンガン応援
よろしくお願いします!
で、どんなアルバムかという話ですが、
アルバムタイトルは『Professionals-17th』
メンバーもタイトルを見て僕からのメッセージを読み取ってくれてるとは思いますが、そうです。「プロ」として作品を作り上げたわけです。
で、メンバーはみんな「プロ」であって、「アイドル」という職業があるのであれば「アイドル」の「プロ」「歌手」という言葉にこだわるのであれば「プロの歌手」でなければならない。
パフォーマーなのか、エンターテイナーなのか、どれが今も自分を表す言葉なのか、それは人ぞれぞれあるでしょう。
とにかく「プロフェッショナル」であるということを合言葉にこのアルバムを仕上げていきました。
アルバム作りもそうですが、作品作りっていくら前倒しで余裕もって作ろうってしててもギリギリになって湧いてくるアイデアや早く作りすぎると「あれ?なんか違うな」みたいな気持ちになるものもあれば、少し寝かせてたものを引っ張り出してきて、空気を吹き込み直すと、ぐんぐんよくなってきたり、たいていは思い通りにはならないものです。
今回、大きな難関だったのが、実は僕、今年どうしてもやり遂げたかったことがあって、それは「家族での世界一周旅行」。
4年前から計画して3年前に実施するつもりがコロナが流行って、世界中ロックダウンしたのもあって、断念してたんです。
2024年、ようやく世界を移動出来るようになったわけです。
ですが、ご存知の通り、世界中コロナ後はインフレで、しかも超円安。
で、アルバム作りもある。
当然ながら今年も中止か?って思いたい所ですが、そんな弱気に人生生きてたら、本当に行けるタイミングで、また天災や本当のアクシデントが起こったりするわけで、しかも子供もどんどん成長していきます。これからの人生のヒントをつかみにいく旅の意味がどんどん薄れていく、「あかん、弱気になったらなんも始まらない。今しかない!」と、勇気を振り絞って、家族で決断して世界旅行に春休みと夏休みを使って出ました。
この旅の途中でもレコーディングは続きます。
曲を作ったり、歌詞を書いたり、仮歌を入れてもらったら、その符割りを確認したり、アレンジが進んだらその確認をし、修正を伝えたり、声を入れるレコーディングがあれば、それを聴いて、ここはどうだ、あそこにはこれを足して、とか、なんだかんだ、やっておりました。
とまあ、忙しくはなるけど、なんとかするのも人生です。
旅が終わる頃、アルバムが大体完成するというような流れだったことを伝えておきます。
M-01 「勇敢なダンス」 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:大久保薫
シングル候補にするかな、どうしようかなぁ〜って思えるような強い曲なんですが、アルバムにはアルバムの顔も必要なわけで。
アルバムの段取りをしかけた頃、数曲候補曲が出揃った時点でスタッフ総意って感じで、この曲を軸にアルバムを考えていくようになっていきました。
そのことが事務所サイドにも伝わると、ツアータイトルにもすぐ反映されておりました。
こういう良い意味の共鳴拡散っていいですよね。
ダンサブルなナンバーで、グリグリと勢いのある曲です。
しかし、歌詞の世界は「崩壊寸前の恋」のお話で、このまま放っておいたら、きっとこのまま終わってしまう。
無理って思いつつも、最後にあがくとしたら、もはや今しかないってのもわかってる。
「もういいや!お〜わり!」
って割り切っちゃえば明日から実はスッキリして、楽しい人生が待ってるはずなのに、なぜか、それを選びきれず、ずっとモヤモヤイライラ。
だからと言ってまだ動きだせない臆病な自分がいて、ジレンマの中で戦ってる。
このぐるぐる回ってるスパイラル感がこの曲の持つリフレイン感につながってます。
お客さんを入れ替えずにずっと回ってるジェットコースターみたいな。
そんな感じで仕上げていきました。
ちなみに歌詞の最後の方、
Do it Do it Just do it you can dance
Do it Do it Just do it 勇敢だ!
Do it Do it Just do it you can dance
と書き上げたんですが、きっと歌う側からすると英語と日本語を歌い分けるだろうと思って、そうさせたくなかったので、彼女たちに渡した歌詞カードは
Do it Do it Just do it you can dance
Do it Do it Just do it you can dance
Do it Do it Just do it you can dance
にしておきました。
なので、歌詞カード見ないで聞いたら
3行ともDo it Do it Just do it you can danceって聴こえて当然です。
ご安心ください(笑)!
M-02 「おっちょこちょいなファンタジアロマンス」 / 北川莉央・岡村ほまれ・山﨑愛生
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
アルバムの曲順をすごく迷ったという話は以前に書きました。
こちらを参考にしてください→。
https://note.tsunku.net/n/n025b5c41849e
「勇敢なダンス」で鋭く始まった後も、精神的には全員参加曲を持ってこようと、
頭の中では考えていました。
やっぱアルバム始まって2、3曲は全メンバー参加してる曲で攻めたいって
考えちゃうんですが、シングル曲を持ってきても、アルバム曲でもなんか違う。
結構悩んだあげく、まだまだヨチヨチ歩き感のある3人のこの曲が浮上してきました。
アレンジ的には出だしからおしゃれだし、言葉数少なめ(音数のことね)のこのイントロは多くを語らず、メンバーを暖かく見守ってる感じがして、すごく暖かい感じがします。
スキー場の上の方にあるカフェみたいなね。
そんな設定のこの曲は、初恋のような、恋愛初心者マークのついた二人がカフェやベンチの上に腰掛けた状態で動けなくなってるような、そんなイメージです。
優しい彼と、なんとなく付き合ってみる、みないみたいな状況で、何を話していいかわからない空気感で、胸がキュンキュンしてるのはわかってて、あれこれ会話がうまくいかないけど、なんとなく口付けちゃう、この感じ。
こんなにときめいて良いのでしょうかね〜。。。
Aメロは4分割されてます。
岡村から始まります。彼女は声が鋭く、主人公の心の戸惑いのような
不安定感もあったので、出だしにとってもお似合いでした。
その後山﨑は少し落ち着いてきた様子を表す。
でも手に汗かきまくってるんだけどね。
2番の北川はさらに落ち着いてきたと思わせながら、実際は落ち着いたのではなく、単にシーンと無言の時間が続いただけで、久しぶりに何か話そうとすると上ずる感じ。
歌によく表れてると思います。
間奏のリズムが不安定になる(決してリズムがはずれてるわけではない)のも、とってもこの曲の心境にあってて好きです。アレンジャー神谷氏の妙です。
ちなみに「恋愛線」ってのが手相占いにあるのかどうかわからないけど、そういうイメージで聴いてくださいね!
M-03 「「恋人」」 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:大久保薫
僕の中では、この曲もこのアルバムで重要な曲の一つです。
「勇敢なダンス」は恋がもう終わるのかどうかの瀬戸際。
「おっちょこちょいなファンタジアロマンス」は恋の始まりの瞬間。
そして、この「恋人」は「ほぼ恋人」いや「きっと恋人」
「え?恋人じゃないの?」「え?じゃ何?」状態な歌です。
きっと長らく友人でもあり、愚痴も笑い話も真剣トークも、食事にも行った、野球を観に行った、コンサートに行ったりもしてきたはず。
友人や近所のおばさんたちは「お付き合いしてるんでしょ」くらいに思ってる距離感状態なんだと思います。
なんとなく進学や就職が目の前で、次のステージにお互いが突入する時期であって、あれ?私たちってどうなってくの?みたいな不安定な状態。
彼もきっとそう思ってるんだとは思うけど、「え?だってもう付き合ってるやん」って思ってるかもしれないし、
「最高の友達」って思ってるかもしれないし、「もっか検討中」なのかもしれないし、聞くと藪蛇になる可能性はゼロではない。
そんなハラハラな状態が音にもよく表れてて、なんど聴いても切なく苦しいです。
この曲は数年前に仕上げてたんですが、アレンジが定まらず、
3、4度書き換えてもらった記憶があります。結局第一稿を軸に、アレンジを詰めていった結果が今回の最終形です。
そういう意味ではアレンジャーの大久保氏をずいぶん振り回してしまったように思います。いつもありがとうね!
この曲は単なるノリノリのユーロビート系の曲にも出来るし、4つ打ちのキックを無くして、もっとバラード調にも出来るんです。
でも、雰囲気だけで引っ張りたくなく、乗れるんだけど、切ないってのをアルバムの前半に持ってきたかったんよね。
振られたわけでも終わったわけでもないけど、思い出に浸って、スマホに入ってる写真を次々と見てると、激笑いしてて、ピントがあってない写真のあの感じ、みなさん、イメージできましたか?
M-04 「ムカ好き!」歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
「つんく♂曲の明るいのきた〜!」って言ってくれてるなら嬉しいです。
ただ、仕上がったのを聴いてもらったらそう聴こえてそれでいいんですが、
この曲、自分で作っててなんなんですが、なんか変なんです。
出サビは一旦おいて、1番についてる方のサビを聴いてください。
「好きだよ〜」ってところから始まりたくって、このメロディーを書いて、その後、4小節区切りの曲にしようとしてもなぜか、そうならない。
「好きだよ〜」
ではじまって
その後
「好きだよ
好きを超えた好きchu」で6小節。
なんでやろ。
そこから
「超好きだよ」
から12小節、どこで区切っていいかわからないままメロディが続き、
13小節目「好き〜」で終わる。
13小節目ははみ出してる部分と考えると最初の6小節とその後の12小節の合計18小節で出来上がってるサビ。
4小節、もしくは8小節単位で進んでくのがポップスの定義だとしたら、なんか変。
なんだけど、こうやって仕上がってしまえば不思議ではないのが不思議。
出来上がったばかりの時に、この曲の構成をアレンジャーに伝えるのがめちゃ難しくって、伝え方も苦労しました。きっと受け取る方も「は?」だったはず。
でも、平田氏は2回目くらいのアレンジの段階で「こういうことっすよね」みたいな感じで、最初の「好きだよ〜」を打ちっぱなしの世界観にしたいって話してたこの感じに
仕上げてきてくれる。
やっぱ、ツーと言えばカーってのは大事だね。
昨日今日の付き合いではこうはなりません。
ということで爽やかに仕上がったこの曲、
実は、シングル候補として「なんだかセンチメンタルな時の歌」と一緒の盤に入る予定で進んでました。
が、なぜかアルバムに回ってきたんですが、やっぱシングル候補の曲はパワーがあるようで、すでにライブでもだいぶ盛り上がってます!とメンバーからも報告がありました。
嬉しいですね。
君と私の好き好きバロメーターがいつも50:50ならいいけど、恋愛って何故かそうならず、どっちかが60好きなら、どっちかがちょっと引いて40くらいならまだ安定してる。
でも、どっちかが90でもう片方が10くらいのメーターだと、喧嘩になったり不安になったりするもんでしょう。
この歌詞の世界観は58:42くらいかな。
彼女が58くらい好きなんだけど、なんか負けてる気がしちゃてるんでしょうね。
だから「こっちの気も知らないで!」みたいにプンプンする時もあって、
それが「ムカつくけど好き」=「ムカ好き」となったわけです。
歌詞自体は至ってシンプルに見えますが、久々の「ぴょん」が出てきて、なので、間奏明けの繰り返しをどっちのサビで歌おうか迷ったんです。
タイトルの「ムカ好き」がもう一回出てくるべきか、「ぴょん」を出すべきか。で。「ぴょん」を取ってしまいました・・・むふふ。
こういう曲が1曲あると、メンバーそれぞれが「プロ合戦」してくれるので、そこがまたモーニング娘。らしくって頼もしいです。
ソロの歌手だと「私、歌えないし〜」みたいな感じで終わっちゃうかもしれないしね。
アレンジ的にはAメロのベースラインの細かいビートではねてる感じです。
ここにウキウキ感がつまってます。
M-05 「すっごいFEVER!」2023/10/25発売シングル 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
シングル曲って何故かパワーがあるよね。
頭の中ではアルバムにおいて、新鮮な曲を頭の方にずらっと並べて、最後の方に
シングルを固めていいかなって計算してたけど、実際曲を並べて聴くと後半ばかりがべっとり重くなるので、これはいかんと、並び替えました。
特にこの曲は本来ならアルバムの1曲目になるべき曲なんですよね。
こういう曲って「ああ、つんく♂の得意なパターンね」みたいに思われるかもしれないけど、そう簡単に書ける曲でなく、200〜300曲くらい書いたら時折音楽の神様がチャンスを与えてくれる、そういう曲なんです。
こういう曲を大事に仕上げて、歌い続けてくれたら!って僕は思います。
M-06 「内緒だよ」/小田さくら・羽賀朱音
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:AKIRA
この曲のアレンジを何種類か進めてたんですが、どこの国を旅してた時だったか忘れたけど、夢の中でアレンジのニュアンスみたいなのがぐるぐる巡って湧いてきたんです。
「この感じなんだったけな〜」ってしばらく考えてました。
で、旅を続ける中で「あ。わかった、あのエンドレスにサビが続く感じ、AKIRAだ!」
って思ったんです。
AKIRAアレンジのピュアな恋愛ソングが大好きでパッと思い浮かぶのでいうと「通学列車」や「初めてのロックコンサート」
この世界観、なんか胸熱で好きなんよね。
アレンジがある程度見えてから歌詞を書くパターンの時、AKIRAアレンジのこのタイプの曲は、空中浮遊してる感じで、なんとも愛おしいです。
なので、久々にディレクター通じてAKIRAに連絡し、このアレンジをおねがいしました。
イメージ通りばっちり上がってくるし、AKIRAコーラスがまたまた気持ちいい。
さすがです。
歌うは小田に羽賀。
2人ともある種百戦錬磨戦ってきて、脂も十分に乗ってて、戦闘モードだったことでしょう。
鼻息荒荒で、「で、うちらは今回のアルバムでどんな曲、歌わせてもらえまんの!」
ってな感じで、かかりまくってるだろうな〜ってのが想像ついたので、「違うぞ、まだやぞ、あともう一歩上のステージにいくんやで。
リズム、歌心を会得しないと、黒帯は渡せないよ」って意味も込めて、簡単そうに聴こえて、とても難しい曲にチャレンジしてもらうことにしました。
「私って歌うまいでしょ〜!!」的な張り上げて歌う曲ではなく、
もっとも真逆。マイクにめちゃ近付いて、声を出さない歌で表現する。
人間の声が0〜100までの声量があるとしたら
60〜90くらいで歌うのって少々手荒でも70が急に80になっても
そんなに変わらない。
でも、こういう心の声のような歌の場合、
15〜18の間でニュアンスを変えて歌うという、すごいプロテクニックが必要な曲なんです。
18を超えて19までスロットルをあげてしまうと脱線してしまうような感覚。
平均台のような細いくねくね道を750ccのバイクで通り過ぎてくような、そんなテクニック感。
15以下なら止まって落ちてしまうし、19を超えると脱線。
0.1単位でスロットルを動かして、なんとか乗り越えていく感じです。
仕上がりは聴いての通りぷかぷか仕上がりました。
まるで、プールの上に浮き輪を浮かべて、そこに乗ってゆらゆら揺れてる感じ。
たしかマレーシアのプールで次女がそんな格好で浮かんでたような記憶がある。
アレンジの夢を見たのもどっかアジアだったかドバイとかカタールとか、そんな気がする。
とにかく、アルバム制作の終盤戦に仕上げた曲ですね。
ということで、2人はそれぞれこの曲で成長してくれたはず!
M-07 「なんだかセンチメンタルな時の歌」2024/08/14発売シングル 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
気持ちいいよね。アルバムをここまで聴き進めてきて、そして、ここにきて、この曲のイントロがかかるとドッキリする。わかってるけど、ドキってなる。左右のバランスおかしいやん!って思うしね。
こういうのもシングル曲のパワーですね。
アレンジも相当詰めたし、歌入れした後も散々聴いたし、
TDもずいぶんやり直したし、キャンぺーン期間中もMV含めてなんども何度も聴いた。
それでもこうやって「内緒だよ」の後に出てくると、貫禄を感じるお気に入りの曲です。
M-08 「会えてよかった」 / 横山玲奈・井上春華
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:江上浩太郎
横山と井上という組合わせが、世間的に、ファン界隈でどう感じるかはわからないけど、ライブでどんな物語を感じさせてくれるような振り付けになるかな〜
って想像しながら仕上げていきました。
たんに明るい元気な曲ってだけでなく、女の子としても強く生きてくってことを感じる瞬間っていうのかな。
そういうのがテーマです。
「自立する」というような平成ドラマにありそうな女の子の生き方でなく、「自分は自分であるけれど、やっぱ彼と二人してこれからの時代を生きていきたい」というような、そういう世界観です。
夏休みだったのか、ゴールデンウイークくらいのちょっとした長期だったのか、
もしくは毎日あってる恋人同士からしたら2、3日会えないだけでも
長い間何してたの?ってなるのかもしれない。
そんな「何してたの?」期間があったからこそ、君の大事さを知って、
そして、私がすべきことにも気が付く。
ある種、もうベテランの域である横山がこうやってフレッシュな感じで歌を聴かせてくれるのも新鮮に思うし、井上もちょこざいな感じで、負けてない。
当たり前な顔してちゃんとくっついてて、2人で歌ってる違和感がない。
こんなに健康的な感じに仕上げてくれてありがとう!って思う。
「会えてよかったね」
M-09 「Neverending Shine」/モーニング娘。’23 feat. 譜久村聖 2023/10/25発売シングル
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
前回のnote「モーニング娘。’24のニューアルバム『Professionals-17th』のセルフライナーノーツの前に伝えたいこと。」に書いたので、ご理解いただいてると思うが、こうやってもう一度流れで聴くけど、本当にいいよね。
「会えてよかった」があって、ほのぼのした後のこの緊張感。
すごいピリっとする。
この曲をこのアルバム通じてもう一度聴く。
この主人公は譜久村なのか、譜久村がファンに送る歌詞なのか。
つんく♂が譜久村やこれから卒業してくメンバーに送った歌詞なのか。
ファンが譜久村やメンバーに送りたい言葉をつんくが代弁してるものなのだろうか。
つんく♂が自分の子たちの成長を見ながらメンバーにそれを置き換えて書いた歌詞なのだろうか。
自問自答してみた。どれだと思って聴いてた?もしくはどう聴こえてた?
もちろん、全部間違いではないんだと思うし、
歌詞に正解もなにもないのかもしれない。
ただ、僕がここにきて、この歌詞を読み返して思ったのは、「あ、そうだ、あの時、この歌詞って、モーニング娘。へのラブレターを書いたんだ。モーニング娘。にあこがれ、モーニング娘。で育ち、モーニング娘。となって、モーニング娘。を一番愛し、モーニング娘。をこれからも見守っていく人が、自分を含めたモーニング娘。に歌った曲なんだ」
とそう思い出した。
「近すぎると君が見えない」
まさにモーニング娘。の中にいたら、こういう気持ちになるんじゃないかなって
勝手な想像で歌詞を書いたこと、思い出しました。
卒業後、譜久村はどんな気持ちでモーニング娘。を見ているのだろうか。
気になるところです。
M-10 「幸せ指数 発表されたい」 / 生田衣梨奈・石田亜佑美・野中美希、牧野真莉愛、櫻井梨央、弓桁朱琴
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:鈴木俊介
このアルバムの中では一番最後に書いた曲です。
実はほかの全然違う曲でこのメンバーで歌うべく曲を進めていました。
なんですが、他の曲が出揃ってくる中で、僕の中で「あれ?この曲は今回の
アルバムに欲しい穴に上手くはまらないなぁ。今回じゃないかもしれない」
そう思ってしまいました。
レコーディングスケジュールも予定してあったんですが、
メンバーに「ちょっと待って、作り直すから!」と、待ってもらうことになりました。
全体をザクっと見回してどうしても欲しい曲調、それは「つんく♂ファンク」だ!
ということで、すぐ作曲を始めました。
踊りも大事だし、コンサート全体でも盛り上がりそうで、ハロー!プロジェクト全体のテーマ曲として、夏ハローやひなフェスあたりでオープニング曲になってても不思議じゃないような一丸となれるナンバーに仕上げていきました。
とくに今回のこのメンバーであれば、ドラマチックな振り付けに仕上げられると
思っています。小劇場の舞台を見てるような振り付けになるといいよね。
それはさておき、まあ、僕なりに好きなカテゴリーなので、曲を仕上げたあとに
歌詞を書くわけですが、毎回、歌詞に悩みます。
悩むというか、どんなメッセージを盛り込むか、メッセージは盛り込むけど、リズムや韻やノリは消したくない。でも、ノリだけでなにかよくわからん曲は世間にもいっぱいあって、それはダサい。
プロとしての腕を感じない。
この曲のメッセージとしては、平凡なような毎日だけど、本当はめちゃ幸せって思うべきで、実際そう感じてる。この幸せ感というかリア充感を手をあげて世の中に発表したい!というようなそんな曲です。
大サビでこういうことを歌っています。みんなが一丸になる場所ですね。
ただし、Aメロでは何を言ってるのかよくわからない。
これでいいんです。クロスのメロディーが出てきて、伏線を回収する感じも好きなんです。
で、サビの「洗濯物乾かない」
からの「担々麺」も「散々」「簡単トレーニング」も、みんなリズムや韻を大事にしたフレーズなんですが、これも世界旅行の最中、パリで一週間以上滞在したんですが、洗濯機はそなわってるのに乾燥機がない・・・こんなことがあって、部屋中に洗濯ものを干しまくってるんですが、雨が続きなかなか乾かないというジレンマをそのまま曲にしちゃいました。
これは東京に越してきて一人暮らしの頃もよくありました。
次の取材で着ようって思ってた服を前日に洗って、乾かないっていうような場面。
こういうのは歌詞になる立派なエピソードです。
2番の「冷凍物が届かない」も同様、僕は日本からハワイに戻る日に、
ハワイに持ち帰る冷凍品がなかなかとどかず、飛行機の時間に間に合うか、どうか?
ハラハラしてる感じを歌詞にしました。
M-11 「Wake-up Call~目覚めるとき~」2023/10/25発売シングル歌唱:全メンバー
作詞:星部ショウ 作曲:大久保薫・星部ショウ 編曲:大久保薫
M-12 「最KIYOU」2024/08/14発売シングル歌唱:全メンバー
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:大久保薫
M-13 「大空に向かって」歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく編曲:平田祥一郎
さ、ようやくフィナーレです。
この曲はエジプトで書きました。
曲を聴いていただければわかると思いますが、だからと言ってエジプトっぽい楽器とかフレーズが入ってるとか、そういうのではありません。
ただ、単に「ここ最近、これっていうバラードがない」っていうのがわかってたので、そんな曲を書かなきゃな〜って思いながら旅をしてました。
それでも今思えば、もしかしたら、エジプトで砂漠を見たり、ナイル川を見たり、飛行機から外の景色を見てるなかで、こういう壮大なタイプのメロディーが浮かんできたのかもしれませんね。
曲を書き終えて、アレンジを進め、歌詞を書くわけです。
今年、春と夏に世界中を回って、いろんなことを感じました。
その間、日本も都知事選もあったし、アメリカで活躍する野球選手がすごい結果を残したり。
温暖化の影響も大いにあるでしょう。とにかく暑い夏。
日本も暑いがドバイ、カタール、エジプト、パリ、イギリス、マレーシア、まあ、どこにいっても恐ろしく暑い。
こういうことも感じながら、コーヒー一杯買うにも、世界中が高い。
いかに日本が安いか実感するわけです。
日本人はやっぱなんだかんだいっても優秀で真面目す。
ズルいことしたらバチが当たるで。ということも心の奥底のどこかにみんな持ってるんじゃないかな。
逆を言わば、ちゃんとまじめにやってたらきっといつかいいことあるよ、みたいな気持ちで生きてるように思うんです。
それでも世界をぐるーっと見てくると、真面目にやってて本当に大丈夫?
みんな(各国)もっとある種器用に、あざとく、クレバーに生きてるよね。
って思っちゃいます。
僕は以前、たった一人を不安にさせたままで世界中 幸せに出来るの
って、歌詞を書いたこともあります。
実はこの曲「What is LOVE?」のアンサーソングとして書いた感じです。
逆もまた真なり!と。
皆様なりに深読みしてみてください。
この歌詞では、アンサーの部分のニュアンスをあえてふんわりさせてますが、「What is LOVE?」のアンサーソングは、またいずれの日かに、しっかり曲にしたいとも思っています。
ただ、「大空に向かって」としての曲の結論としても、正直に誓い、そして胸を張って次の世代に襷を渡すという、やはり日本人としての真を歌詞にしてあります。
そうであってほしいという願いです。
さて、ということで、アルバム通して聴いていただきました。
スッキリしましたか?
アルバムの流れを作るのに、本当に曲順で悩みました。
基本は緩急です。
ぜひ、皆様からの感想を聞かせてくださいね!
以下のハッシュタグや
#professionals17th
各曲名をハッシュタグにして、感想待ってます!
#勇敢なダンス #ムカ好き みたいな感じで。
このnoteでもXでもブログでもインスタでもどんどん書き込んでくださいね!
商品情報はこちら
https://www.up-front-works.jp/release/detail/EPCE-7886/
==
noteコラム
『モーニング娘。’24のニューアルバム『Professionals-17th』のセルフライナーノーツの前に伝えたいこと。』
はこちら。
https://note.tsunku.net/n/n025b5c41849e
※途中から有料のコラムとなります。
結成して26年なので、年に1枚作っていれば、
もう少しアルバムタイトルがあってもよいところですが、それでも17枚。
「ローマは一日にして成らず」ということわざどおり、歴史があって今はある。
そう思うと感無量です。
ここまでの応援、本当にありがとうございました。そしてこれからもガンガン応援
よろしくお願いします!
で、どんなアルバムかという話ですが、
アルバムタイトルは『Professionals-17th』
メンバーもタイトルを見て僕からのメッセージを読み取ってくれてるとは思いますが、そうです。「プロ」として作品を作り上げたわけです。
で、メンバーはみんな「プロ」であって、「アイドル」という職業があるのであれば「アイドル」の「プロ」「歌手」という言葉にこだわるのであれば「プロの歌手」でなければならない。
パフォーマーなのか、エンターテイナーなのか、どれが今も自分を表す言葉なのか、それは人ぞれぞれあるでしょう。
とにかく「プロフェッショナル」であるということを合言葉にこのアルバムを仕上げていきました。
アルバム作りもそうですが、作品作りっていくら前倒しで余裕もって作ろうってしててもギリギリになって湧いてくるアイデアや早く作りすぎると「あれ?なんか違うな」みたいな気持ちになるものもあれば、少し寝かせてたものを引っ張り出してきて、空気を吹き込み直すと、ぐんぐんよくなってきたり、たいていは思い通りにはならないものです。
今回、大きな難関だったのが、実は僕、今年どうしてもやり遂げたかったことがあって、それは「家族での世界一周旅行」。
4年前から計画して3年前に実施するつもりがコロナが流行って、世界中ロックダウンしたのもあって、断念してたんです。
2024年、ようやく世界を移動出来るようになったわけです。
ですが、ご存知の通り、世界中コロナ後はインフレで、しかも超円安。
で、アルバム作りもある。
当然ながら今年も中止か?って思いたい所ですが、そんな弱気に人生生きてたら、本当に行けるタイミングで、また天災や本当のアクシデントが起こったりするわけで、しかも子供もどんどん成長していきます。これからの人生のヒントをつかみにいく旅の意味がどんどん薄れていく、「あかん、弱気になったらなんも始まらない。今しかない!」と、勇気を振り絞って、家族で決断して世界旅行に春休みと夏休みを使って出ました。
この旅の途中でもレコーディングは続きます。
曲を作ったり、歌詞を書いたり、仮歌を入れてもらったら、その符割りを確認したり、アレンジが進んだらその確認をし、修正を伝えたり、声を入れるレコーディングがあれば、それを聴いて、ここはどうだ、あそこにはこれを足して、とか、なんだかんだ、やっておりました。
とまあ、忙しくはなるけど、なんとかするのも人生です。
旅が終わる頃、アルバムが大体完成するというような流れだったことを伝えておきます。
M-01 「勇敢なダンス」 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:大久保薫
シングル候補にするかな、どうしようかなぁ〜って思えるような強い曲なんですが、アルバムにはアルバムの顔も必要なわけで。
アルバムの段取りをしかけた頃、数曲候補曲が出揃った時点でスタッフ総意って感じで、この曲を軸にアルバムを考えていくようになっていきました。
そのことが事務所サイドにも伝わると、ツアータイトルにもすぐ反映されておりました。
こういう良い意味の共鳴拡散っていいですよね。
ダンサブルなナンバーで、グリグリと勢いのある曲です。
しかし、歌詞の世界は「崩壊寸前の恋」のお話で、このまま放っておいたら、きっとこのまま終わってしまう。
無理って思いつつも、最後にあがくとしたら、もはや今しかないってのもわかってる。
「もういいや!お〜わり!」
って割り切っちゃえば明日から実はスッキリして、楽しい人生が待ってるはずなのに、なぜか、それを選びきれず、ずっとモヤモヤイライラ。
だからと言ってまだ動きだせない臆病な自分がいて、ジレンマの中で戦ってる。
このぐるぐる回ってるスパイラル感がこの曲の持つリフレイン感につながってます。
お客さんを入れ替えずにずっと回ってるジェットコースターみたいな。
そんな感じで仕上げていきました。
ちなみに歌詞の最後の方、
Do it Do it Just do it you can dance
Do it Do it Just do it 勇敢だ!
Do it Do it Just do it you can dance
と書き上げたんですが、きっと歌う側からすると英語と日本語を歌い分けるだろうと思って、そうさせたくなかったので、彼女たちに渡した歌詞カードは
Do it Do it Just do it you can dance
Do it Do it Just do it you can dance
Do it Do it Just do it you can dance
にしておきました。
なので、歌詞カード見ないで聞いたら
3行ともDo it Do it Just do it you can danceって聴こえて当然です。
ご安心ください(笑)!
M-02 「おっちょこちょいなファンタジアロマンス」 / 北川莉央・岡村ほまれ・山﨑愛生
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
アルバムの曲順をすごく迷ったという話は以前に書きました。
こちらを参考にしてください→。
https://note.tsunku.net/n/n025b5c41849e
「勇敢なダンス」で鋭く始まった後も、精神的には全員参加曲を持ってこようと、
頭の中では考えていました。
やっぱアルバム始まって2、3曲は全メンバー参加してる曲で攻めたいって
考えちゃうんですが、シングル曲を持ってきても、アルバム曲でもなんか違う。
結構悩んだあげく、まだまだヨチヨチ歩き感のある3人のこの曲が浮上してきました。
アレンジ的には出だしからおしゃれだし、言葉数少なめ(音数のことね)のこのイントロは多くを語らず、メンバーを暖かく見守ってる感じがして、すごく暖かい感じがします。
スキー場の上の方にあるカフェみたいなね。
そんな設定のこの曲は、初恋のような、恋愛初心者マークのついた二人がカフェやベンチの上に腰掛けた状態で動けなくなってるような、そんなイメージです。
優しい彼と、なんとなく付き合ってみる、みないみたいな状況で、何を話していいかわからない空気感で、胸がキュンキュンしてるのはわかってて、あれこれ会話がうまくいかないけど、なんとなく口付けちゃう、この感じ。
こんなにときめいて良いのでしょうかね〜。。。
Aメロは4分割されてます。
岡村から始まります。彼女は声が鋭く、主人公の心の戸惑いのような
不安定感もあったので、出だしにとってもお似合いでした。
その後山﨑は少し落ち着いてきた様子を表す。
でも手に汗かきまくってるんだけどね。
2番の北川はさらに落ち着いてきたと思わせながら、実際は落ち着いたのではなく、単にシーンと無言の時間が続いただけで、久しぶりに何か話そうとすると上ずる感じ。
歌によく表れてると思います。
間奏のリズムが不安定になる(決してリズムがはずれてるわけではない)のも、とってもこの曲の心境にあってて好きです。アレンジャー神谷氏の妙です。
ちなみに「恋愛線」ってのが手相占いにあるのかどうかわからないけど、そういうイメージで聴いてくださいね!
M-03 「「恋人」」 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:大久保薫
僕の中では、この曲もこのアルバムで重要な曲の一つです。
「勇敢なダンス」は恋がもう終わるのかどうかの瀬戸際。
「おっちょこちょいなファンタジアロマンス」は恋の始まりの瞬間。
そして、この「恋人」は「ほぼ恋人」いや「きっと恋人」
「え?恋人じゃないの?」「え?じゃ何?」状態な歌です。
きっと長らく友人でもあり、愚痴も笑い話も真剣トークも、食事にも行った、野球を観に行った、コンサートに行ったりもしてきたはず。
友人や近所のおばさんたちは「お付き合いしてるんでしょ」くらいに思ってる距離感状態なんだと思います。
なんとなく進学や就職が目の前で、次のステージにお互いが突入する時期であって、あれ?私たちってどうなってくの?みたいな不安定な状態。
彼もきっとそう思ってるんだとは思うけど、「え?だってもう付き合ってるやん」って思ってるかもしれないし、
「最高の友達」って思ってるかもしれないし、「もっか検討中」なのかもしれないし、聞くと藪蛇になる可能性はゼロではない。
そんなハラハラな状態が音にもよく表れてて、なんど聴いても切なく苦しいです。
この曲は数年前に仕上げてたんですが、アレンジが定まらず、
3、4度書き換えてもらった記憶があります。結局第一稿を軸に、アレンジを詰めていった結果が今回の最終形です。
そういう意味ではアレンジャーの大久保氏をずいぶん振り回してしまったように思います。いつもありがとうね!
この曲は単なるノリノリのユーロビート系の曲にも出来るし、4つ打ちのキックを無くして、もっとバラード調にも出来るんです。
でも、雰囲気だけで引っ張りたくなく、乗れるんだけど、切ないってのをアルバムの前半に持ってきたかったんよね。
振られたわけでも終わったわけでもないけど、思い出に浸って、スマホに入ってる写真を次々と見てると、激笑いしてて、ピントがあってない写真のあの感じ、みなさん、イメージできましたか?
M-04 「ムカ好き!」歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
「つんく♂曲の明るいのきた〜!」って言ってくれてるなら嬉しいです。
ただ、仕上がったのを聴いてもらったらそう聴こえてそれでいいんですが、
この曲、自分で作っててなんなんですが、なんか変なんです。
出サビは一旦おいて、1番についてる方のサビを聴いてください。
「好きだよ〜」ってところから始まりたくって、このメロディーを書いて、その後、4小節区切りの曲にしようとしてもなぜか、そうならない。
「好きだよ〜」
ではじまって
その後
「好きだよ
好きを超えた好きchu」で6小節。
なんでやろ。
そこから
「超好きだよ」
から12小節、どこで区切っていいかわからないままメロディが続き、
13小節目「好き〜」で終わる。
13小節目ははみ出してる部分と考えると最初の6小節とその後の12小節の合計18小節で出来上がってるサビ。
4小節、もしくは8小節単位で進んでくのがポップスの定義だとしたら、なんか変。
なんだけど、こうやって仕上がってしまえば不思議ではないのが不思議。
出来上がったばかりの時に、この曲の構成をアレンジャーに伝えるのがめちゃ難しくって、伝え方も苦労しました。きっと受け取る方も「は?」だったはず。
でも、平田氏は2回目くらいのアレンジの段階で「こういうことっすよね」みたいな感じで、最初の「好きだよ〜」を打ちっぱなしの世界観にしたいって話してたこの感じに
仕上げてきてくれる。
やっぱ、ツーと言えばカーってのは大事だね。
昨日今日の付き合いではこうはなりません。
ということで爽やかに仕上がったこの曲、
実は、シングル候補として「なんだかセンチメンタルな時の歌」と一緒の盤に入る予定で進んでました。
が、なぜかアルバムに回ってきたんですが、やっぱシングル候補の曲はパワーがあるようで、すでにライブでもだいぶ盛り上がってます!とメンバーからも報告がありました。
嬉しいですね。
君と私の好き好きバロメーターがいつも50:50ならいいけど、恋愛って何故かそうならず、どっちかが60好きなら、どっちかがちょっと引いて40くらいならまだ安定してる。
でも、どっちかが90でもう片方が10くらいのメーターだと、喧嘩になったり不安になったりするもんでしょう。
この歌詞の世界観は58:42くらいかな。
彼女が58くらい好きなんだけど、なんか負けてる気がしちゃてるんでしょうね。
だから「こっちの気も知らないで!」みたいにプンプンする時もあって、
それが「ムカつくけど好き」=「ムカ好き」となったわけです。
歌詞自体は至ってシンプルに見えますが、久々の「ぴょん」が出てきて、なので、間奏明けの繰り返しをどっちのサビで歌おうか迷ったんです。
タイトルの「ムカ好き」がもう一回出てくるべきか、「ぴょん」を出すべきか。で。「ぴょん」を取ってしまいました・・・むふふ。
こういう曲が1曲あると、メンバーそれぞれが「プロ合戦」してくれるので、そこがまたモーニング娘。らしくって頼もしいです。
ソロの歌手だと「私、歌えないし〜」みたいな感じで終わっちゃうかもしれないしね。
アレンジ的にはAメロのベースラインの細かいビートではねてる感じです。
ここにウキウキ感がつまってます。
M-05 「すっごいFEVER!」2023/10/25発売シングル 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
シングル曲って何故かパワーがあるよね。
頭の中ではアルバムにおいて、新鮮な曲を頭の方にずらっと並べて、最後の方に
シングルを固めていいかなって計算してたけど、実際曲を並べて聴くと後半ばかりがべっとり重くなるので、これはいかんと、並び替えました。
特にこの曲は本来ならアルバムの1曲目になるべき曲なんですよね。
こういう曲って「ああ、つんく♂の得意なパターンね」みたいに思われるかもしれないけど、そう簡単に書ける曲でなく、200〜300曲くらい書いたら時折音楽の神様がチャンスを与えてくれる、そういう曲なんです。
こういう曲を大事に仕上げて、歌い続けてくれたら!って僕は思います。
M-06 「内緒だよ」/小田さくら・羽賀朱音
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:AKIRA
この曲のアレンジを何種類か進めてたんですが、どこの国を旅してた時だったか忘れたけど、夢の中でアレンジのニュアンスみたいなのがぐるぐる巡って湧いてきたんです。
「この感じなんだったけな〜」ってしばらく考えてました。
で、旅を続ける中で「あ。わかった、あのエンドレスにサビが続く感じ、AKIRAだ!」
って思ったんです。
AKIRAアレンジのピュアな恋愛ソングが大好きでパッと思い浮かぶのでいうと「通学列車」や「初めてのロックコンサート」
この世界観、なんか胸熱で好きなんよね。
アレンジがある程度見えてから歌詞を書くパターンの時、AKIRAアレンジのこのタイプの曲は、空中浮遊してる感じで、なんとも愛おしいです。
なので、久々にディレクター通じてAKIRAに連絡し、このアレンジをおねがいしました。
イメージ通りばっちり上がってくるし、AKIRAコーラスがまたまた気持ちいい。
さすがです。
歌うは小田に羽賀。
2人ともある種百戦錬磨戦ってきて、脂も十分に乗ってて、戦闘モードだったことでしょう。
鼻息荒荒で、「で、うちらは今回のアルバムでどんな曲、歌わせてもらえまんの!」
ってな感じで、かかりまくってるだろうな〜ってのが想像ついたので、「違うぞ、まだやぞ、あともう一歩上のステージにいくんやで。
リズム、歌心を会得しないと、黒帯は渡せないよ」って意味も込めて、簡単そうに聴こえて、とても難しい曲にチャレンジしてもらうことにしました。
「私って歌うまいでしょ〜!!」的な張り上げて歌う曲ではなく、
もっとも真逆。マイクにめちゃ近付いて、声を出さない歌で表現する。
人間の声が0〜100までの声量があるとしたら
60〜90くらいで歌うのって少々手荒でも70が急に80になっても
そんなに変わらない。
でも、こういう心の声のような歌の場合、
15〜18の間でニュアンスを変えて歌うという、すごいプロテクニックが必要な曲なんです。
18を超えて19までスロットルをあげてしまうと脱線してしまうような感覚。
平均台のような細いくねくね道を750ccのバイクで通り過ぎてくような、そんなテクニック感。
15以下なら止まって落ちてしまうし、19を超えると脱線。
0.1単位でスロットルを動かして、なんとか乗り越えていく感じです。
仕上がりは聴いての通りぷかぷか仕上がりました。
まるで、プールの上に浮き輪を浮かべて、そこに乗ってゆらゆら揺れてる感じ。
たしかマレーシアのプールで次女がそんな格好で浮かんでたような記憶がある。
アレンジの夢を見たのもどっかアジアだったかドバイとかカタールとか、そんな気がする。
とにかく、アルバム制作の終盤戦に仕上げた曲ですね。
ということで、2人はそれぞれこの曲で成長してくれたはず!
M-07 「なんだかセンチメンタルな時の歌」2024/08/14発売シングル 歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
気持ちいいよね。アルバムをここまで聴き進めてきて、そして、ここにきて、この曲のイントロがかかるとドッキリする。わかってるけど、ドキってなる。左右のバランスおかしいやん!って思うしね。
こういうのもシングル曲のパワーですね。
アレンジも相当詰めたし、歌入れした後も散々聴いたし、
TDもずいぶんやり直したし、キャンぺーン期間中もMV含めてなんども何度も聴いた。
それでもこうやって「内緒だよ」の後に出てくると、貫禄を感じるお気に入りの曲です。
M-08 「会えてよかった」 / 横山玲奈・井上春華
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:江上浩太郎
横山と井上という組合わせが、世間的に、ファン界隈でどう感じるかはわからないけど、ライブでどんな物語を感じさせてくれるような振り付けになるかな〜
って想像しながら仕上げていきました。
たんに明るい元気な曲ってだけでなく、女の子としても強く生きてくってことを感じる瞬間っていうのかな。
そういうのがテーマです。
「自立する」というような平成ドラマにありそうな女の子の生き方でなく、「自分は自分であるけれど、やっぱ彼と二人してこれからの時代を生きていきたい」というような、そういう世界観です。
夏休みだったのか、ゴールデンウイークくらいのちょっとした長期だったのか、
もしくは毎日あってる恋人同士からしたら2、3日会えないだけでも
長い間何してたの?ってなるのかもしれない。
そんな「何してたの?」期間があったからこそ、君の大事さを知って、
そして、私がすべきことにも気が付く。
ある種、もうベテランの域である横山がこうやってフレッシュな感じで歌を聴かせてくれるのも新鮮に思うし、井上もちょこざいな感じで、負けてない。
当たり前な顔してちゃんとくっついてて、2人で歌ってる違和感がない。
こんなに健康的な感じに仕上げてくれてありがとう!って思う。
「会えてよかったね」
M-09 「Neverending Shine」/モーニング娘。’23 feat. 譜久村聖 2023/10/25発売シングル
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:神谷礼
前回のnote「モーニング娘。’24のニューアルバム『Professionals-17th』のセルフライナーノーツの前に伝えたいこと。」に書いたので、ご理解いただいてると思うが、こうやってもう一度流れで聴くけど、本当にいいよね。
「会えてよかった」があって、ほのぼのした後のこの緊張感。
すごいピリっとする。
この曲をこのアルバム通じてもう一度聴く。
この主人公は譜久村なのか、譜久村がファンに送る歌詞なのか。
つんく♂が譜久村やこれから卒業してくメンバーに送った歌詞なのか。
ファンが譜久村やメンバーに送りたい言葉をつんくが代弁してるものなのだろうか。
つんく♂が自分の子たちの成長を見ながらメンバーにそれを置き換えて書いた歌詞なのだろうか。
自問自答してみた。どれだと思って聴いてた?もしくはどう聴こえてた?
もちろん、全部間違いではないんだと思うし、
歌詞に正解もなにもないのかもしれない。
ただ、僕がここにきて、この歌詞を読み返して思ったのは、「あ、そうだ、あの時、この歌詞って、モーニング娘。へのラブレターを書いたんだ。モーニング娘。にあこがれ、モーニング娘。で育ち、モーニング娘。となって、モーニング娘。を一番愛し、モーニング娘。をこれからも見守っていく人が、自分を含めたモーニング娘。に歌った曲なんだ」
とそう思い出した。
「近すぎると君が見えない」
まさにモーニング娘。の中にいたら、こういう気持ちになるんじゃないかなって
勝手な想像で歌詞を書いたこと、思い出しました。
卒業後、譜久村はどんな気持ちでモーニング娘。を見ているのだろうか。
気になるところです。
M-10 「幸せ指数 発表されたい」 / 生田衣梨奈・石田亜佑美・野中美希、牧野真莉愛、櫻井梨央、弓桁朱琴
作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:鈴木俊介
このアルバムの中では一番最後に書いた曲です。
実はほかの全然違う曲でこのメンバーで歌うべく曲を進めていました。
なんですが、他の曲が出揃ってくる中で、僕の中で「あれ?この曲は今回の
アルバムに欲しい穴に上手くはまらないなぁ。今回じゃないかもしれない」
そう思ってしまいました。
レコーディングスケジュールも予定してあったんですが、
メンバーに「ちょっと待って、作り直すから!」と、待ってもらうことになりました。
全体をザクっと見回してどうしても欲しい曲調、それは「つんく♂ファンク」だ!
ということで、すぐ作曲を始めました。
踊りも大事だし、コンサート全体でも盛り上がりそうで、ハロー!プロジェクト全体のテーマ曲として、夏ハローやひなフェスあたりでオープニング曲になってても不思議じゃないような一丸となれるナンバーに仕上げていきました。
とくに今回のこのメンバーであれば、ドラマチックな振り付けに仕上げられると
思っています。小劇場の舞台を見てるような振り付けになるといいよね。
それはさておき、まあ、僕なりに好きなカテゴリーなので、曲を仕上げたあとに
歌詞を書くわけですが、毎回、歌詞に悩みます。
悩むというか、どんなメッセージを盛り込むか、メッセージは盛り込むけど、リズムや韻やノリは消したくない。でも、ノリだけでなにかよくわからん曲は世間にもいっぱいあって、それはダサい。
プロとしての腕を感じない。
この曲のメッセージとしては、平凡なような毎日だけど、本当はめちゃ幸せって思うべきで、実際そう感じてる。この幸せ感というかリア充感を手をあげて世の中に発表したい!というようなそんな曲です。
大サビでこういうことを歌っています。みんなが一丸になる場所ですね。
ただし、Aメロでは何を言ってるのかよくわからない。
これでいいんです。クロスのメロディーが出てきて、伏線を回収する感じも好きなんです。
で、サビの「洗濯物乾かない」
からの「担々麺」も「散々」「簡単トレーニング」も、みんなリズムや韻を大事にしたフレーズなんですが、これも世界旅行の最中、パリで一週間以上滞在したんですが、洗濯機はそなわってるのに乾燥機がない・・・こんなことがあって、部屋中に洗濯ものを干しまくってるんですが、雨が続きなかなか乾かないというジレンマをそのまま曲にしちゃいました。
これは東京に越してきて一人暮らしの頃もよくありました。
次の取材で着ようって思ってた服を前日に洗って、乾かないっていうような場面。
こういうのは歌詞になる立派なエピソードです。
2番の「冷凍物が届かない」も同様、僕は日本からハワイに戻る日に、
ハワイに持ち帰る冷凍品がなかなかとどかず、飛行機の時間に間に合うか、どうか?
ハラハラしてる感じを歌詞にしました。
M-11 「Wake-up Call~目覚めるとき~」2023/10/25発売シングル歌唱:全メンバー
作詞:星部ショウ 作曲:大久保薫・星部ショウ 編曲:大久保薫
M-12 「最KIYOU」2024/08/14発売シングル歌唱:全メンバー
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:大久保薫
M-13 「大空に向かって」歌唱:全メンバー
作詞:つんく 作曲:つんく編曲:平田祥一郎
さ、ようやくフィナーレです。
この曲はエジプトで書きました。
曲を聴いていただければわかると思いますが、だからと言ってエジプトっぽい楽器とかフレーズが入ってるとか、そういうのではありません。
ただ、単に「ここ最近、これっていうバラードがない」っていうのがわかってたので、そんな曲を書かなきゃな〜って思いながら旅をしてました。
それでも今思えば、もしかしたら、エジプトで砂漠を見たり、ナイル川を見たり、飛行機から外の景色を見てるなかで、こういう壮大なタイプのメロディーが浮かんできたのかもしれませんね。
曲を書き終えて、アレンジを進め、歌詞を書くわけです。
今年、春と夏に世界中を回って、いろんなことを感じました。
その間、日本も都知事選もあったし、アメリカで活躍する野球選手がすごい結果を残したり。
温暖化の影響も大いにあるでしょう。とにかく暑い夏。
日本も暑いがドバイ、カタール、エジプト、パリ、イギリス、マレーシア、まあ、どこにいっても恐ろしく暑い。
こういうことも感じながら、コーヒー一杯買うにも、世界中が高い。
いかに日本が安いか実感するわけです。
日本人はやっぱなんだかんだいっても優秀で真面目す。
ズルいことしたらバチが当たるで。ということも心の奥底のどこかにみんな持ってるんじゃないかな。
逆を言わば、ちゃんとまじめにやってたらきっといつかいいことあるよ、みたいな気持ちで生きてるように思うんです。
それでも世界をぐるーっと見てくると、真面目にやってて本当に大丈夫?
みんな(各国)もっとある種器用に、あざとく、クレバーに生きてるよね。
って思っちゃいます。
僕は以前、たった一人を不安にさせたままで世界中 幸せに出来るの
って、歌詞を書いたこともあります。
実はこの曲「What is LOVE?」のアンサーソングとして書いた感じです。
逆もまた真なり!と。
皆様なりに深読みしてみてください。
この歌詞では、アンサーの部分のニュアンスをあえてふんわりさせてますが、「What is LOVE?」のアンサーソングは、またいずれの日かに、しっかり曲にしたいとも思っています。
ただ、「大空に向かって」としての曲の結論としても、正直に誓い、そして胸を張って次の世代に襷を渡すという、やはり日本人としての真を歌詞にしてあります。
そうであってほしいという願いです。
さて、ということで、アルバム通して聴いていただきました。
スッキリしましたか?
アルバムの流れを作るのに、本当に曲順で悩みました。
基本は緩急です。
ぜひ、皆様からの感想を聞かせてくださいね!
以下のハッシュタグや
#professionals17th
各曲名をハッシュタグにして、感想待ってます!
#勇敢なダンス #ムカ好き みたいな感じで。
このnoteでもXでもブログでもインスタでもどんどん書き込んでくださいね!
商品情報はこちら
https://www.up-front-works.jp/release/detail/EPCE-7886/
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noteコラム
『モーニング娘。’24のニューアルバム『Professionals-17th』のセルフライナーノーツの前に伝えたいこと。』
はこちら。
https://note.tsunku.net/n/n025b5c41849e
※途中から有料のコラムとなります。