気になるその気の歌 / 明るく良い子
M-01. 気になるその気の歌
作詞：つんく 作曲：つんく編曲：平田祥一郎
M-02. 明るく良い子
作詞：つんく 作曲：つんく編曲：大久保薫
商品情報はこちら
https://www.up-front-works.jp/release/detail/EPCE-7934/
■アーティスト：モーニング娘。'25
■発売日：2025/07/02
■コード：EPCE-7940
■レーベル：zetima
つんく♂コメント
生田が卒業します。
彼女にとってのラストシングルとなるわけです。
今後もきっと卒業があって加入がある。
加入があるから卒業する。
卵か鶏かって話ですが、それはさておき、
そうやって新陳代謝をくりかえしてきたモーニング娘。
おかげで僕も自分に飽きることなく、ここまで成長してこれたように思い、
OG含めモーニング娘。のメンバーには感謝とリスペクトの念を
抱いております。（もちろんファンの皆様の応援ありきです！）
さて、そんな中、昨年末より次のシングル曲の準備を進めてきました。
思い起こせば、今から20年以上前に「アイドル氷河期」という言葉も流行りました。
何が時代の変換期になったかというと、日本における物理的なCDの販売（市場）が世界の流通（市場）とずいぶんズレがあったことが大きいように思います。
例えば、日本では、イベント参加券や、握手会、ハイタッチ会などを上手に組み込み、
物理的なCDの売り上げを確保して、日本独特の市場をKEEPしていました。
しかし、そんな日本市場もコロナ禍に入り物理的なCDの販売が見込めなくなったあたりから、
音楽市場は本当に難しくなったように思います。
とはいえ、サブスクを中心に、
日本において、K-POP界隈はまだまだ元気だし、J-POP界隈でも新しいタイプのアイドルやグループが誕生し、ファンを獲得し、世界戦で戦っているのも事実。
僕としてもここは一つ音楽で結果を残し、感動をもう一度！というのが本心ではあります。
と、まあ、枕詞が長くなりましたが、
そうやって世間を見渡しながら毎回のごとく「今のモーニング娘。には何が必要か、」
と念頭に置きながら、今回も曲作りに入りました。
そんな昨今、どうしてもダンスを切り離して音楽市場を捉えるのは難しいでしょう。
SNSでバズるために音楽を作ってるわけではないんですが、
でも、バズったら結果に繋がるのも事実。
音楽と動きがどうシンクロするかってめちゃ大事なアイテムです。
次のシングルに曲が2曲入ると考えて、自分の中でも数曲を候補曲として、
曲を作ってみました。
「なんだかセンチメンタルな時の歌」はある種、あの瞬間の
モーニング娘。をばっちり捉えたと自分でも自負している手応えの感じた曲。
で、その次の曲として、
世間が、「複雑」だったり「細かいダンス」に思考が向いてる中、
そっちを追っかけるのではなく、そもそもモーニング娘。が愛された
「なんか楽しい」「なんかテンションあがる」「みんなでワイワイ！」な
感覚を大事にすべきだと考えました。
結果、パーティーチューンなナンバーが良いよなって感じで、
「〜〜〜の歌」シリーズ的に、まず「気になるその気の歌」から
作り始めました。
ノリはあるけど、ダンスに頼らない曲って決めてました。
そしてやはりメッセージです。
ます、ダンスに頼らないってどういう意味かというと、
「LOVEマシーン」の時もそうでしたが、世間のダンスレベルが
上がってる時に、ダンスのスキルで対決しようとすると絶対に不利です。
特に昨今では、K-POPを中心に、スキルの高いダンスをたくさん
見てきているので、世間も激しいダンスや細かいダンスは見慣れてるはず。
なので、そっち方面にエネルギーを注ぐより、
振り付けのアイデアや表情を軸に曲のメッセージ性を高めるための
動きやフォーメーションを取り入れようと考えました。
今回はモーニング娘。では初となる「えんどぅ」先生にコリオグラファー
として参加してもらいました。
彼自身のダンススキルは見てわかる通りすごいんです（ググってください）が、
僕は彼の咀嚼力がすごく好きなんです。
僕がお願いしたり、アイデアを出したことを彼流に頭の中でミキサーかけて、心地よい口当たりになるように美味しく仕上げてくれる。
そんな柔軟性高いアイデアマンなんです。
これまでの仕事は彼と直接やりとりしたんですが、
今回はあえてマネージメントを通じてやりとりしたので、若干のストレスがあったと思います。
次回またチャンスがあったら直接やりとりしようかなって思ってることはさておき、とにかく難易度よりパーティー力を中心に、ダンスを考えてもらいました。
で、一番最初に考えてほしいのは、振り付けの前に、「この歌詞の時はこんな表情」ってな具合に、どの場面ではどんな顔で歌ってるかを決めてくださいってこと。
それと1曲を通してストーリー仕立てにして欲しいという点をリクエストしました。
さて、楽曲そのものに関してですが、
最初に話した「モーニング娘。」が歌うべきことを
いつも考えながら生きてるわけです。
子育てしながら、ハワイで生活してても日本に戻っても
ふとした時に「あ、これ次のテーマだな」とか「世間は今、こうだから
それをモーニング娘。がメッセージとして伝えるべきだな」みたいな感覚で、
湧き出てくるもののほとんどをメモし、集計して「モーニング娘。」で割り算します。
我が子を見てても思いますが、
大人（親や先生、世間もそうです）からの応援、支援、見守りって
本当に大事なんだと思います。
しかし、我々大人側も自分のことで毎日必死なわけで、
気がついた時には遅かったりして「あ、あの時もっとこうしておば・・・」
なんてこともしょっちゅうですよね。
逆をいわば、メンバーたちも普段は周りの期待に応えなきゃ
って思いつつも、「あ〜あ、やっぱわかってくれてないじゃん」
って思うことも多々あることと思います。
期待を背負ってちょっと頑張ろうってやってみたけど、
うまく出来なくって、みんながしら〜ってしてて、
「こんなことなりゃ、頑張らなきゃよかったし」
みたいなね。
そういうのあると思います。
本人はきっとサボってるわけでもなく、
未来に向かって毎日頑張ってるけど、
やってるけど、でもでもでも・・・ってなってるのかなと。
モーニング娘。のメンバーにしてもハロー！プロジェクトのメンバーにしても、
世間の学生や受験生もスポーツ選手も、
社会で働く戦士たちも、声をかけあって、応援、声援し合うしかない。
そう思ったんです。
時にはサボっても、一息つくも良い、
明日になっても良いと思うけど、
最後の大事な緊張感だけは抜かないで、
自暴自棄的な諦めにならないように、
「気」をつなげてくしかないよな。ってそう自分にも言い聞かせながら、
この曲を仕上げていきました。
「ちゃんとなってく」そう信じて。
途中、リズムが変わってお祭りチックになったりするのも、
人生が淡々とならないように、少々あれこれあっても対応できるような
人生を送ってほしいという思いです。
MVに関しては、「思い込み宇宙観」をテーマに、
無限空間の中で歌ってるようなイメージを提出しました。
「明るく良い子」
いくつかある候補曲の中でこの曲が選ばれたのは、
やはり直球感ですね。
つまりメッセージ性だと思います。
曲調が少々ロックなので、顔がきりっとした表情になるとは思いますが、YOSHIKO先生には
「この曲は笑顔です」
って伝えました。
言いたいこと、伝えたいことは
「気になるその気の歌」と同じなのかも知れません。
今のモーニング娘。に必要なガソリンとして、
「君たちが優れてることはわかってるよ」ってことを
伝えること。
僕たちは何度も何度もガソリンを注入して、
彼女たちの心を燃やしてあげるしかないんだと思います。
なんだか「自分だけ、世間に置いてかれてるような気持ち」とか。
「私が目を瞑っておけば、まあ、安泰かな。」
みたいな感覚。
それもわかるし、ちょっとサボってる自分を自分が知ってるのも
事実だろうし、モーニング娘。ってやっぱ歴史もあって、
アイドル界隈の優等生でなきゃいけない感覚もあるだろうし、
「つい笑顔しちゃう」みたいな。
ダンスのテーマの「笑顔」とは違う「取り繕いの笑顔」
本当の私は少々ずるいし、サボるし、
やらなきゃいけないことあるの知ってるし、
やったら出来るとも思うし、
でもめんどいみたいな。
SNS等でなんだか目立ってる子もいて、
悔しい時もあるだろうし、水戸黄門のテーマじゃないけど、
後から来たのに追い越されたりね。
でもいいやん！
いつかきっとの本当の笑顔を掴むにも
やっぱ自分だし、「そういうんじゃないよ」
って言い切るなら責任持って結果出してほしいし、
今、心の端っこにある孤独感から脱出してほしいと、そう思います。
MV のテーマは「万華鏡」
あ、これはMVだけでなく、ダンスの
フォーメーションも万華鏡感を上手に出してほしいと
YOSHIKO先生にも伝えました。
こういうロックな曲って、なんだかんだ言って
モーニング娘。の骨頂な部分でもあって、
イントロ始まったらそれだけで盛り上がる場面が目に浮かびます。
拳あげて「うぉい！うぉい！」の盛り上がりに頼らない振り付けを意識して
作ってもらいました。
はい、ということで、シングル曲のセルフライナーノーツを
書かせてもらいました。
各メンバーの感想に関して、
別noteに書くので楽しみにお待ちください！
彼女にとってのラストシングルとなるわけです。
今後もきっと卒業があって加入がある。
加入があるから卒業する。
卵か鶏かって話ですが、それはさておき、
そうやって新陳代謝をくりかえしてきたモーニング娘。
おかげで僕も自分に飽きることなく、ここまで成長してこれたように思い、
OG含めモーニング娘。のメンバーには感謝とリスペクトの念を
抱いております。（もちろんファンの皆様の応援ありきです！）
さて、そんな中、昨年末より次のシングル曲の準備を進めてきました。
思い起こせば、今から20年以上前に「アイドル氷河期」という言葉も流行りました。
何が時代の変換期になったかというと、日本における物理的なCDの販売（市場）が世界の流通（市場）とずいぶんズレがあったことが大きいように思います。
例えば、日本では、イベント参加券や、握手会、ハイタッチ会などを上手に組み込み、
物理的なCDの売り上げを確保して、日本独特の市場をKEEPしていました。
しかし、そんな日本市場もコロナ禍に入り物理的なCDの販売が見込めなくなったあたりから、
音楽市場は本当に難しくなったように思います。
とはいえ、サブスクを中心に、
日本において、K-POP界隈はまだまだ元気だし、J-POP界隈でも新しいタイプのアイドルやグループが誕生し、ファンを獲得し、世界戦で戦っているのも事実。
僕としてもここは一つ音楽で結果を残し、感動をもう一度！というのが本心ではあります。
と、まあ、枕詞が長くなりましたが、
そうやって世間を見渡しながら毎回のごとく「今のモーニング娘。には何が必要か、」
と念頭に置きながら、今回も曲作りに入りました。
そんな昨今、どうしてもダンスを切り離して音楽市場を捉えるのは難しいでしょう。
SNSでバズるために音楽を作ってるわけではないんですが、
でも、バズったら結果に繋がるのも事実。
音楽と動きがどうシンクロするかってめちゃ大事なアイテムです。
次のシングルに曲が2曲入ると考えて、自分の中でも数曲を候補曲として、
曲を作ってみました。
「なんだかセンチメンタルな時の歌」はある種、あの瞬間の
モーニング娘。をばっちり捉えたと自分でも自負している手応えの感じた曲。
で、その次の曲として、
世間が、「複雑」だったり「細かいダンス」に思考が向いてる中、
そっちを追っかけるのではなく、そもそもモーニング娘。が愛された
「なんか楽しい」「なんかテンションあがる」「みんなでワイワイ！」な
感覚を大事にすべきだと考えました。
結果、パーティーチューンなナンバーが良いよなって感じで、
「〜〜〜の歌」シリーズ的に、まず「気になるその気の歌」から
作り始めました。
ノリはあるけど、ダンスに頼らない曲って決めてました。
そしてやはりメッセージです。
ます、ダンスに頼らないってどういう意味かというと、
「LOVEマシーン」の時もそうでしたが、世間のダンスレベルが
上がってる時に、ダンスのスキルで対決しようとすると絶対に不利です。
特に昨今では、K-POPを中心に、スキルの高いダンスをたくさん
見てきているので、世間も激しいダンスや細かいダンスは見慣れてるはず。
なので、そっち方面にエネルギーを注ぐより、
振り付けのアイデアや表情を軸に曲のメッセージ性を高めるための
動きやフォーメーションを取り入れようと考えました。
今回はモーニング娘。では初となる「えんどぅ」先生にコリオグラファー
として参加してもらいました。
彼自身のダンススキルは見てわかる通りすごいんです（ググってください）が、
僕は彼の咀嚼力がすごく好きなんです。
僕がお願いしたり、アイデアを出したことを彼流に頭の中でミキサーかけて、心地よい口当たりになるように美味しく仕上げてくれる。
そんな柔軟性高いアイデアマンなんです。
これまでの仕事は彼と直接やりとりしたんですが、
今回はあえてマネージメントを通じてやりとりしたので、若干のストレスがあったと思います。
次回またチャンスがあったら直接やりとりしようかなって思ってることはさておき、とにかく難易度よりパーティー力を中心に、ダンスを考えてもらいました。
で、一番最初に考えてほしいのは、振り付けの前に、「この歌詞の時はこんな表情」ってな具合に、どの場面ではどんな顔で歌ってるかを決めてくださいってこと。
それと1曲を通してストーリー仕立てにして欲しいという点をリクエストしました。
さて、楽曲そのものに関してですが、
最初に話した「モーニング娘。」が歌うべきことを
いつも考えながら生きてるわけです。
子育てしながら、ハワイで生活してても日本に戻っても
ふとした時に「あ、これ次のテーマだな」とか「世間は今、こうだから
それをモーニング娘。がメッセージとして伝えるべきだな」みたいな感覚で、
湧き出てくるもののほとんどをメモし、集計して「モーニング娘。」で割り算します。
我が子を見てても思いますが、
大人（親や先生、世間もそうです）からの応援、支援、見守りって
本当に大事なんだと思います。
しかし、我々大人側も自分のことで毎日必死なわけで、
気がついた時には遅かったりして「あ、あの時もっとこうしておば・・・」
なんてこともしょっちゅうですよね。
逆をいわば、メンバーたちも普段は周りの期待に応えなきゃ
って思いつつも、「あ〜あ、やっぱわかってくれてないじゃん」
って思うことも多々あることと思います。
期待を背負ってちょっと頑張ろうってやってみたけど、
うまく出来なくって、みんながしら〜ってしてて、
「こんなことなりゃ、頑張らなきゃよかったし」
みたいなね。
そういうのあると思います。
本人はきっとサボってるわけでもなく、
未来に向かって毎日頑張ってるけど、
やってるけど、でもでもでも・・・ってなってるのかなと。
モーニング娘。のメンバーにしてもハロー！プロジェクトのメンバーにしても、
世間の学生や受験生もスポーツ選手も、
社会で働く戦士たちも、声をかけあって、応援、声援し合うしかない。
そう思ったんです。
時にはサボっても、一息つくも良い、
明日になっても良いと思うけど、
最後の大事な緊張感だけは抜かないで、
自暴自棄的な諦めにならないように、
「気」をつなげてくしかないよな。ってそう自分にも言い聞かせながら、
この曲を仕上げていきました。
「ちゃんとなってく」そう信じて。
途中、リズムが変わってお祭りチックになったりするのも、
人生が淡々とならないように、少々あれこれあっても対応できるような
人生を送ってほしいという思いです。
MVに関しては、「思い込み宇宙観」をテーマに、
無限空間の中で歌ってるようなイメージを提出しました。
「明るく良い子」
いくつかある候補曲の中でこの曲が選ばれたのは、
やはり直球感ですね。
つまりメッセージ性だと思います。
曲調が少々ロックなので、顔がきりっとした表情になるとは思いますが、YOSHIKO先生には
「この曲は笑顔です」
って伝えました。
言いたいこと、伝えたいことは
「気になるその気の歌」と同じなのかも知れません。
今のモーニング娘。に必要なガソリンとして、
「君たちが優れてることはわかってるよ」ってことを
伝えること。
僕たちは何度も何度もガソリンを注入して、
彼女たちの心を燃やしてあげるしかないんだと思います。
なんだか「自分だけ、世間に置いてかれてるような気持ち」とか。
「私が目を瞑っておけば、まあ、安泰かな。」
みたいな感覚。
それもわかるし、ちょっとサボってる自分を自分が知ってるのも
事実だろうし、モーニング娘。ってやっぱ歴史もあって、
アイドル界隈の優等生でなきゃいけない感覚もあるだろうし、
「つい笑顔しちゃう」みたいな。
ダンスのテーマの「笑顔」とは違う「取り繕いの笑顔」
本当の私は少々ずるいし、サボるし、
やらなきゃいけないことあるの知ってるし、
やったら出来るとも思うし、
でもめんどいみたいな。
SNS等でなんだか目立ってる子もいて、
悔しい時もあるだろうし、水戸黄門のテーマじゃないけど、
後から来たのに追い越されたりね。
でもいいやん！
いつかきっとの本当の笑顔を掴むにも
やっぱ自分だし、「そういうんじゃないよ」
って言い切るなら責任持って結果出してほしいし、
今、心の端っこにある孤独感から脱出してほしいと、そう思います。
MV のテーマは「万華鏡」
あ、これはMVだけでなく、ダンスの
フォーメーションも万華鏡感を上手に出してほしいと
YOSHIKO先生にも伝えました。
こういうロックな曲って、なんだかんだ言って
モーニング娘。の骨頂な部分でもあって、
イントロ始まったらそれだけで盛り上がる場面が目に浮かびます。
拳あげて「うぉい！うぉい！」の盛り上がりに頼らない振り付けを意識して
作ってもらいました。
はい、ということで、シングル曲のセルフライナーノーツを
書かせてもらいました。
各メンバーの感想に関して、
別noteに書くので楽しみにお待ちください！
