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つんく♂というボーカリストが人前で歌を歌って、拍手を初めてもらったのは、
小学生に入る前、親戚が集まった時の出来事がそうなのか、
小学3年の学期ごとに行われる歌発表会の時のクラスメイトからだっただろうか、
定かではない。
しかし、確実に中学3年の秋の文化祭では、ギターを持って歌を歌った。
その時の拍手はすごく覚えている。気持ち良かった。
20歳になろうかって頃、シャ乱Qの原型「乱(RAM)」で歌い始めて、
友人や恋人や親戚でもない、本当のファンと言われる人たちから、
拍手をもらうようになってからは、「止められない!」、そう思った。
音楽の魔力です。
シャ乱Qでは、その自分の歌がどのようにしたら、より人の耳を魅了していくだろうかを、
すごく考え、音作りをするようになった。
そのバンド経験(音楽制作経験)のおかげで、
今度はプロデューサーとして、モーニング娘。他、桜庭裕一郎など、いろんな歌手達と出会うこととなった。
作品を作って、その作品が世の中の拍手を浴びる。
これまた「止められない!」、そう思った。
ここまでの私が「タイプ」で言う「1型」であったとするならば、
ここからの新しい歌手人生を「タイプ」で言う「2型」と考えることにした。
前作の「TAKE1」は、
「タイプ1型」の私が自信のセルフカバーを中心に制作してきましたが、
今作品は、更に客観的に「俺の歌」の気持ち良い場所はどこ!?ってな感じで、
曲をチョイスし、新旧問わず、「歌いたい!」という衝動に駆られた曲で制作しました。
「タイプ2」を聞いてくださった皆様が本心から拍手してくださる瞬間の為に。
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つんく♂ |
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1. FOREVER〜あなたに会いたい〜 |
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このアルバムの制作を進めかけた頃、今回協力してくださった私の先輩のプロデューサーKANONJIさんが
「つんく♂は、いろんな作家の曲も歌って行きたいって言うなら、良い作家が何人かいるし、ちょっと聞いてみる?」
ってのがきっかけで、大野愛果という作曲家を紹介してもらいました。
あ、まあ、というより、もっとダイレクトにその彼女が作ってくれた曲を頂きました。
KANONJIさんが
「俺、何曲か聞いたけど、この曲以外、つんく♂が歌っている姿が想像できないんだよなぁ〜」
ってメッセージ付きで。
聞いてみてびっくり、
「へぇ〜。俺からは絶対に出てこないメロだな、これはすごいぞ」って、思いました。
歌詞を考えました。
当たり前のように男性が女子を口説くようなあま〜い歌詞を色々考えたのですが、
「ちょっと待てよ!そうか、この曲には、女性の悲しさが一番よく似合う!」
って思ったのです。
そこからは、早かったですねぇ。
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2.愛エピローグ |
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同じく、「タイプ2」にも、絶対にデュエット曲を入れよう!って企画の段階で思っていたので、
俺と同じく、大阪出身の愛内里菜に
「ちょっと、アルバムでデュエットしたいねんけど、どう?」って、
事務所に伝言してもらったら、30分後には「OK!!楽しみです!」とお返事。
「おっ、なんて、ノリのええやっちゃ!さすが、大阪の姉ちゃんやで〜!」
って感じましたねぇ。
曲も歌詞も見てないのに、感謝感謝やで〜。
「祭りが大好き」という彼女の心意気に感激です。
デュエット曲を書くときって、男女の声のレンジが違うことを想定して作るので、
作家としては、本当に腕がなります。
今回も見事、はまったので、自画自賛です。
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3.Memory 青春の光 |
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この曲は、本当に思い入れがあるというか、
当時17歳くらいだった安倍達が背伸びしながら精一杯歌っている感じが
たまらなくセクシーと思って作ったんです。
で、ニューヨークに行ってレコーディングしたりトラックダウンしたり、
ほとんど寝ないで作業したあの頃を思い出すと、今でも涙が出てきそうになります。
そんな曲を自分なりに歌ってみんなに聞いてもらいたい!って思ったし、
36歳の僕なら、また違う色気が出せるかな?とか、いろいろ思ってセルフカバーしました。
テンポをオリジナルよりかなり落とすことによって、まったりした色気が出たと思っています!
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4.あなたに |
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高校生、、たぶん、2年生くらいだっただろうか。
デュランデュランやパワーステーションが大好きだった僕は、
ノリノリのディスコサウンドを好んで聞いてました。
そんな中でボーカリストとして、「うわ?何この声」って思った歌手の中の一人に
安全地帯の玉置浩二さんが居ました。
作曲家としても素晴らしく 、しかも、声がいい、色っぽい。
これはすごい!と思いながら、当時組んでいたバンドのメンバーと
マージャンをしながらいつもいつも聞いてました(練習もしないで・・・)
バンドをはじめた頃、「あなたに」みたいなバラードを作ろう!
って、思ったのが、僕の作曲人生の始まりでした。
いまだに、このタイプの曲は作ることができませんね。
ならば、ずばり、その曲を歌おう!って思って、「タイプ2」に入れました。
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5.Just The Way You Are |
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世界の中でスタンダードというか、まあ、本当に良い曲はたくさんあります。
ビリージョエルもたくさんのヒット曲があるけど、
この曲は、
イントロ短く、そして歌が始まるといきなりサビみたいな、すごい構成。
日本のPOPSには、ない構成なんですよね。
「あなたに」同様、そう簡単に作れる曲ではないことはもちろんですが、
なにより、歌ってみたかったのがでかいです。
オリジナル曲より色っぽく歌うことを心がけ歌いました。
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6.大阪 恋の歌 |
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大阪出身として、モーニング娘。に「ふるさと孝行」ということで、
今年のシングル曲として歌ってもらいました。
仮歌を歌っている時点で、
「うわ〜。この曲歌いたいなぁぁ」って思ったのです。
こうやって聞いてみると「つんく♂メロだね」って皆様に思われるかもしれませんが、
最初から、自分が歌うために作ったならば、出てこないメロディだと思っています。
こうやって、この曲が出来上がって、レコーディングできたこと、
モーニング娘。に感謝です!!
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7.さよならの向う側 |
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山口百恵さんの引退コンサートでのマイクを置く姿が本当に印象的ですが、
何年か前に、外国人の留学生の友達が祖国に帰る時に、
この曲をカラオケ屋さんで歌いました。
その時、「なんてすばらしい歌詞、そして、美しい歌なんだ!」
って
思ったのを覚えていました。
昨年、百恵さんのトリビュートアルバムを作るということでお話しを頂いたとき、
「さよならの向う側」で参加出来るなら、参加したい!と、お願いしました。
門出に似合う曲ですよ、この曲は。
絶対にお別れの曲ではないと思うんです。
当時の名コンビ作家のお二人が、百恵さんの門出を祝福する気持ちで作ったお祝いの曲だということを、
同じ作家として(おこがましいのは承知です)
感じました。
それをなんとなく、世間の皆様にも知ってもらいたくって(え?知ってるって?)
歌いましたし、この「タイプ2」にも入れさせていただきました。
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8.YOUR SONG〜青春宣誓〜 |
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松浦亜弥が昨年歌ったシングル曲です。
作った時点で、日本語特有の男女の分かる一人称や、
言葉じりのない曲にしようと考えました。
「なのよ」とか「しちゃうわ」という言葉が出てくるだけで、
女歌になってしまう日本語は、どうしてもその曲を歌うときに女のものとか、
男のものとか限定されてしまいます。
もちろん、その限定されてしまう部分を上手に使って、
歌詞にリズムを出していったりするテクニックもたくさん使っていますし、
だからこそ、成り立つ曲もたくさんあります。
でも、この曲は、なんかその当時、男女言葉関係のない曲を
松浦が歌うことに意義があるんだ!とか、勝手に思ってました。
自分として、歌詞にすごく思い入れがあるので、この「タイプ2」に入れたくなりました。
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9.シャイニン・オン君が哀しい |
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高校2年か3年か、そのあたりでした。この曲は本当に大ヒットしました。
同じバンドマンとして、新人がいきなり出てきていきなりベスト10入りを
果たすのがすごく悔しかった。
アイドルはたくさんいたけど、
アーティストとして、世間に認められているこのLOOKというバンドにすごくジェラシーを感じたのを覚えています。
でも、その後自分もデビューし、その後、プロデューサーにもなって、
客観的に、なぜあの時あの曲がヒットしたか、分析したのです。
まあ、てか、ずっと気になってたわけです。
要するに、めちゃ良い曲やし、良い歌詞、そして、良い声、おしゃれなアレンジ。
何をとっても申し分がないのです。
この「タイプ2」を作るにあたってオリジナルを繰り返し聞きましたが、
もう、発売から20年近く経っているのに、全く古さを感じませんでした。
レコーディング出来て良かったです。
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10.おふくろの子守歌 |
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昨年も行われた五木ひろしさんの故郷、福井での「五木マラソン」の前夜祭で、
五木さんと一緒にこの曲をステージで歌わさせてもらった時、
「俺はなんて曲を作ったんだろう!」って思いました。
絶対に、普通の感覚では、出てこない作品だと思いました。
当時、五木さんと何度も、打ち合わせさせて頂いたのですが、
多分五木さんの、お母さんを思う心が、本気で僕に伝わって、
そのイメージのままの曲に仕上がったんだと思います。
僕が歌うのは、なんか、違うのかなぁ?とか、いろいろ考えちゃいましたが、
昨年の夏ディナショーで歌ったとき、すごく気持ち良かったので、
レコーディングさせていただきました。
五木さん、本当にありがとうございました。
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11.お・や・す・み |
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小学生時代から、毎晩のように深夜ラジオを聴いていた僕は、
新しい情報をそこから教室に持ち込んでいました。
「今、こんなん流行(はや)ってんねんで〜」「こんな曲知ってるかぁ!」とかね。
で、中学生になったころ、テスト前になっても相変わらずラジオっ子でした。
ハガキが読まれたら、クラスの英雄。
電話で素人参加できるものにも出たら英雄。
収録会場に行って、素人歌合戦とかにも出たら、もっと英雄。
そんな折々、
その時期、MBSのヤングタウンで火曜日のレギュラーだったチャゲ&飛鳥。
他の曜日のラインナップはみんな吉本か松竹のお笑い芸人と、
アイドルとか歌手の組み合わせが多かったのに、
チャゲ&飛鳥だけは、二人と局アナとでやってました。
まあ、正直、爆笑をとるほかの曜日とは異色だったけど、
受験前や、試験前に「ながら勉強」するには丁度よかったし、
笑いを取るのが目的のほかの曜日に比べたら、
飛鳥さんの大学時代の話や、恋の話、剣道部の話、
ギターを触ったのが意外と遅かったとか、なんか、
「俺も音楽したいなぁ」って思いたくなるコメントがたくさん詰まってて、
どの曜日より、楽しみにして聞いてました。
で、火曜日のヤンタンだけ、終わるときにいつもかかっていたのが、
この「お・や・す・み」という曲です。
この曲が始まるとちょっとセンチになったりしてたなぁぁ。
当時付き合ってた女の子にカセットにダビングして、プレゼントしたのを思い出しました。
そんな曲なんで、歌ってみました。
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