つんく♂オフィシャルウェブサイト

ISHiMARU NEWS 
上質な音への憧れ〜第二回〜

Refino&Anhelo レフィーノ&アネーロ

音楽制作へのこだわりを語る
〜音楽プロデューサー、つんく♂さんを迎えて

つんく♂さんならではの「上質な音へのこだわり」とは?  
10月末のある晴れた日、
石丸電気のハイエンド・オーディオ専門店「Refino & Anhelo」に、
音楽プロデューサーとして活躍中のつんく♂さんをお迎えしました。
少年時代から音には独特のこだわりを持っていたと言うつんく♂さんですが、
現在のプロデューサー活動も踏まえて、
つんく♂さんならではの「上質な音へのこだわり」について、
お話し頂きました。
2つの専用試聴室でノラ・ジョーンズとミスティークを一通り聞いて
店内を見て回ったつんく♂さん。
さて、その感想はいかがなものだったでしょうか?
    
インタビュアー:佐藤忍(SOFT1)
     

高級オーディオ機器はある程度聞く耳を持った人がターゲット。
そうしたリスナーを無視した音作りはできない。
例え少数でも、耳の肥えたリスナーを 驚かすような仕掛けを作りたい

石丸:まず最初にRefino&Anheloを見て頂いた、つんく♂さんの感想をお聞きできればと思うんですが。
つんく♂:最近、音楽をじっくり聞くようなことはしてないなぁ、と実感しました(笑)。
       今日は普段聞き慣れたノラ・ジョーンズとミスティークのアルバムで、
       どんな風に違って聞こえるのか試させてもらったんですが、
       特に低域や高域の聞こえ方に変化があって、ああ、こうした世界があるんだなぁと。
       ハイエンド・オーディオ機器は、実際、耳が肥えた人に向けて作られていますよね。
       そういうリスナーが、どういった部分に興味をもって、
       こうした音を聞いているのかすごく興味がありますね。
石丸:なるほど。プロデューサー的な聞き方ですね。
つんく♂:少人数の人でもいいから、そうした耳の肥えたリスナーを驚かすような仕掛けができないかと
       いつも考えているんですよ。
       例えば、石丸さんに応援頂いている時東あみなんかですね、
       世間的にはグラビア・アイドルだと思われているような子のCDで、何かできないかとか。
       今日はこうしたハイエンド機器を見て特にそう思いました。
石丸:実際に何か仕掛けられたことはあるのですか?
つんく♂:日本のアーティストで初めて、松浦亜弥の『Good BYE 夏男』のミュージッククリップを
       5.1chサラウンドで作ってみたりしたんですよ。
       でも、メーカーからしてみればプロモーションする上でリスナーの方に
       そのメリットを伝えるのが難しい。余分な負担になってしまうんですね。
       でも、メリットを知ってるリスナーには説明がいらないわけで、
       そういった仕掛け作りには大変興味があります。
       着メロや携帯プレーヤーが登場しても本格的なオーディオは別物。
       カップ麺ができたからってラーメン屋は潰れないでしょ。
       制作の意図を伝えるためには、
       リスナーが音楽を聞くオーディオ環境の変化を意識して作るべき。
石丸:通常の音楽制作における音作りで、
     つんく♂さんがこだわっているのはどういった部分なのでしょうか?
つんく♂:いつもリスナーの環境の変化を意識してるんですよね。
       僕自身、昔はFMラジオの音をエアチェックしたテープなどを聞いてたんですが、
       当時のアース・ウィンド・アンド・ファイヤーなんか、
       低域のパーカッシブルな迫力とラッパの激しい音のインパクトには強い印象があるんですが、
       今の環境で普通にCDで聞くと、「あれ?こんなやったかなぁ」と思うぐらい、
       そういった音がぐっとこなくてスカスカに感じるんですね。
       それは多分、耳が肥えてきたせいもあると思いますが、FMの電波の特性による音と、
       CDの音の差みたいなものだと思うんですね。
       同じようにモーニング娘。の制作でも、録音したときは、
       キック(バスドラム)の音をこんなに入れたら
       リスナーから苦情が来るんじゃないかと思っていたのが、
       今聞くと全然普通だったり。聞く時代環境の変化でそうした違いが出るじゃないですか。
       その辺をキッチリおさえておかないといけないなぁと思ってます。
石丸:リスナーに、こんな環境で聞いて欲しいという希望はありますか?
つんく♂:今は5万円ぐらいのミニコンポでも、そこそこしっかりした音が出るから、
       むしろ、それに対応した音作りをしないと制作の意図は伝わらないなぁ、と思います。
       それもインパクトで一瞬振り返ってもらうだけじゃなくて、ちゃんとした音楽的な土台があって、
       なおかつ斬新なものね。
石丸:今の携帯プレーヤーなどのリスニング環境は、どうお考えですか?
つんく♂:正確に今の状況に合わせると
       着メロとかデジタル・オーディオ・プレーヤーとかも入ってくるんでしょうね。
       でも、正直あれで聞かれたら作る意味ないなと(笑)。
       でもそう思いながらも、レトルト・カレーとかカップ麺のようなものと思って
       気にしないでおこうと(笑)。
       そういったものが出てきてもカレー屋やラーメン屋は潰れないでしょ?
       実際に便利でちょっとした曲の確認には自分たちも使いますし…。
       やっぱり同じ音楽を聴いてても、それは違うものなんですよね。そう考えています。
       制作ではクラブシーンも意識している。
       DJ達にとっても魅力的で使いやすい音源を提供していきたいと思う。
       録音時には少々、汚れてもいいから目一杯突っ込んで、
       後でマスタリング時に余分なところを削ぎ落とすスタイル。
石丸:つんく♂さんの作品では、音作りの独自の工夫というものはあるのですか?
つんく♂:普通の民生用機器で、擬似サラウンドで5.1chを聞いたらどういう風に聞こえるのかとか
       意識してますね。
       あと、サブ・ウーファーにひっかかる帯域は必ず残しておこうとか。そういったことをしています。
石丸:ディスコ・ミュージックをよく聞いたつんく♂さんとしては、
    現在のクラブシーンでの音楽も意識されているんでしょうか?
つんく♂:クラブシーンでは、音楽制作に直接関わっていないDJの方などが、
       CDやレコードの音源を元に、自分なりのスタイルを新たに創造していくわけですよね。
       そういった人たちにとっても魅力的で使いやすいものにしていかないとダメだと思っています。
石丸:私はつんく♂さんの作品には、音のパンチ、厚みとか、押し出し感を強く感じますね。
つんく♂:僕としては、少々ノイズが出て汚れてもいいから、目一杯突っ込んでいく方なんですよ。
       それで最後にちょっと間引いていくというか。
       それでも最後のデジタルマスタリングの段階で気になるところをしゃっしゃっと削ぎ落とすと、
       シャキっといい感じになるんですよね。
       結構、高価な機材を使って、ヘンにコンプレッサー処理とかたくさんするよりも
       シンプルにDATにミックスして、マスタリング(録音の最終工程)に持っていくことの方が
       良かったりしますね。
石丸:基本的なスタイルはあるものの、作品によって録音の仕方も変えていくのですね。
つんく♂:そうですね。
       本人や関係者に聞いたわけではないですが、僕の勝手な分析では、
       例えばさっき試聴したノラ・ジョーンズは16chのアナログテープで録ってるようで、
       高域が伸びててその特長が出ていたと思います。
       ミスティークの方はPro Toolsで録ってミキサー卓でまとめたものを
       最終的にデジタル処理してというから、下は抜けるけど、
       上の本当に突き抜けるところはちょっと閉じこもる。そんなことを意識して方法を決めますね。
       レコード会社や作曲家による音の違いが不思議で、何故だろう、どうしてだろうって
       いつも気になっていましたね
       土日は電気屋さんで朝から夕方まで オーディオ聞き比べ。そんな少年時代。
石丸:つんく♂さんは中学1年の時にギターと出会って音楽を始めたと伺いました。
     つんく♂さんの音楽的なバックグラウンドは、ファンの方もすごく興味があると思うんですが、
     どんな音楽に興味があったのでしょう?
つんく♂:正直に話すと、わりと変態的な聞き方してたんですよ(笑)。
       15、6歳の頃から、土日は電気屋さんに行って、夕方6時頃まで、
       当時の流行の曲をいろんなシステムで聴きまくってたんですね。
       途中で立ち食いうどん食べる以外はずっとね。
       で、同じアイドルでも何でレコードメーカーによって、こんなに聞いた感じが違うのかとか、
       同じ作曲家でも何でこんなに違った風になるのかなとか、思いながら聞いてましたね。
       ジャズや、クラシックも聞きました。「なんやよう分からんなぁ」とか思いながらね(笑)。
石丸:何か、特定なアーティストやジャンルと言うよりも、あらゆるものを幅広く聞いてたんですね。
     興味の赴くままにとでも言いましょうか…。
つんく♂:そうですね。
       でも特に当時ディスコミュージックと呼ばれた、
       今で言うヒップホップ系の曲などはよく聞きましたね。
       あとは、ビートルズ。
       まあ、年代的にリアルタイムじゃないんですが、アメリカから出てるバージョンと、
       本国のイギリスのバージョンで何でこんなに違うのかとか、
       ビートルズのギターの音と当時の山下達郎のギターの音が何でこんなに違うのかとか、
       いつもそんなことを考えてましたね。
       そうそう、今でもジャズなんかでありますけど、
       ドラムの音が左側からしか聞こえないのもびっくりしました。
       すごく不思議なことに感じたのを覚えてますね。
石丸:そうしたさまざまな録音の違いに疑問を持ちつつ、
     つんく♂さんの音楽的な素養が培われていったんですね。
つんく♂:そう、自分の音楽的な土台はそんなことをしていた15、16歳の頃の2年間でできあがったような
       感じですね。

石丸:本日はありがとうございました。今後、ますますのご活躍を祈っています。

Refino&Anheloステレオ試聴室。
FMアコースティックスのアンプ(FM711)と
ルーメンホワイトのスピーカーで試聴して頂きました。
マルチチャンネル試聴室。
LINNのシステムで試聴。
つんく♂さんは、ステレオ試聴室との音の違いに注目していました。
同じ曲でも、昔と今では聞こえ方が違う。
自分の耳が肥えたせいもあるが、
根底にはオーディオ環境の変化がある、と話すつんく♂氏。

(左)
マルチチャンネル試聴室のフロントスピーカー
LINNの「KOMRI(コムリ」。
5ウェイのフロア型で、
LINNのフラグシップモデルとなっている。


(右)
ステレオ試聴室のスピーカー、ルーメンホワイトの「DiamondLight」。
メイプル材を幾層にも積み重ねて
ピアノと同じ構造を作り上げている高級仕様。
今回、石丸電気からのインタビュアーを努めたのは、
ソフト1の佐藤忍。
ロック・ポップス関連の石丸スペシャリスト
(石丸スペシャリストに関しては「ISHiMARU DASH」P91をご参照下さい)として活躍し、多くのリスナーが彼を頼って日々、来店しています。
ロック、ポップス、R&B、ソウル・ミュージックなどで疑問があれば、
ぜひともソフト1の佐藤忍をお訪ね下さい。
試聴ソフトの紹介

『リッキン・オン・ボース・サイド
<スペシャル・エディション>/ミスティーク』 VICP-61864 ビクターエンタテインメント 2,520円(税込)  

残念ながら現在は解散してしまいましたが、アメリカのディスティニーズ・チャイルドと対峙するイギリスの代表的なガールズグループ・ミスティークのアルバムです。2004年にリリースされた全米デビュー盤収録曲に新曲2曲を特別収録した特別盤です。

『ノラ・ジョーンズ
〜カム・アウェイ・ウィズ・ミー/ ノラ・ジョーンズ』
TOCP-66001 東芝EMI
2,548円(税込)  

アメリカのブルーノートが満を持してリリースしたノラ・ジョーンズの記念すべきデビューアルバム。2003年度のグラミー賞主要4部門を独占し、合計で8部部門を受賞した恐るべき作品。カントリーやポップスをミックスしたサウンドで、彼女の幅広い才能を披露しています。
ビートルズのアメリカ盤とイギリス盤を聞いて、
その違いに驚いて疑問を抱いていた頃のことを、
熱心に話してくれたつんく♂氏。

2つの予約制試聴室の他、店内にはゆっくりとくつろぎながら、
高級ハイエンド機器で音楽を楽しめる試聴コーナーを
各所にご用意しております。



上質な音を練り上げるアクセサリー類も豊富に取り揃えています。

高品位な録音ソフトを取り揃えた
ソフトコーナーも設置

<Refino&Anhelo取扱ブランド>
Acustik-Lab/ARIA/ALR JORDAN/ATC/Ayre/acoustic Zen/
AKG/ALPHASON/ACCUSTIC ARTS/Atacama Audio/
ARCAM/Aura/ANTHONY GALLO/AvaLon/AE/
Audio Refinement/Audio Pro/AIR TIGHT/
ASSISTANCE DESIGN/Accuphase/avantgarde/
AVID/Boulder/blueroom/Belden/BOSE/B&W/
Bow/BLADELIUS/Benz Micro/Bumester/C.E.C/CAIG/
COPULARE/CHORD/DALI/DYNAUDIO/DCS/ESOTERIC/
ELAC/EKORNES/FM ACOUSTICS/final/GOLDMUND/
Goldring/GERMAN PHYSIKS/GLASS/HALCRO/THIEL/
Infinity/JM lab/JORMA DESIGN/JEFF ROWLAND/KEF/
LUXMAN/NAGRA/mcIntosh/monitor/MarkLevinson/
MONITOR AUDIO/MUSIC TOOLS/marantz/MIRAD/
MERIDIAN/ortofon/ORACLE/PASS/PROCEED/PIEGA/
Pastral Symphony/QUADRASPIRE/QUAD/ROLF KELCH/
SUPRA/SHURE/SME/SOUND ORGANISATION/
Sonus faber/SPACE & TIME/STAX/SAP/TANNOY/TAOC/
UNISON/ULTRAZONE/VIFA/van den Hul/VTL/Westlake/
wilson benesch/WILSON AUDIO/WADIA 他